更新:2023年4月7日(大阪市健康局 令和5年4月作成資料を基に修正)
高齢者肺炎球菌ワクチンの概要
- 肺炎球菌による肺炎の発症・重症化を予防するワクチンです
- 特に65歳以上の方、持病のある方で接種が推奨されます
- 再接種時は、5年以上の間隔をあけます
- 大阪市の助成対象:4,300円
*生活保護受給・市民税非課税世帯の方は無料 - 助成対象では無い方:8,800円
高齢者肺炎球菌ワクチンとは
肺炎は日本の死亡原因の第3位で、肺炎によって亡くなる方の95%が65歳以上の高齢者であり、日常的に生じる成人の肺炎のうち1/4~1/3は肺炎球菌が原因と考えられています。肺炎球菌は肺炎だけでなく、慢性気道感染症、中耳炎、副鼻腔炎、敗血症、髄膜炎などの肺炎球菌感染症の原因になります。高齢者用肺炎球菌ワクチン(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)は、肺炎球菌莢膜型の約80%に対応することができ、ワクチンの接種により肺炎の予防や肺炎にかかっても軽い症状ですむ効果が期待できます。接種を希望される方は、ワクチンの効果や副反応等について十分に理解したうえで医師と相談し、接種してください。
大阪市ホームページ(2022.10.25更新版) https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000371486.html
統計上の数値は年々変わりますが、特に合併症を持たれた高齢者にとって肺炎は重要な死因の一つです。肺炎球菌ワクチンは、市中肺炎において重要な肺炎球菌による肺炎の発症リスク・重症化リスクを低減させる効果のあるワクチンで、65歳以上の高齢者では定期接種として大阪市による費用助成があります。
肺炎球菌ワクチンは接種後、数年間にわたって効果が持続するとされていますが、高齢の方、合併症のある方ではいずれ効果が減弱するため、再接種も検討されます。一方、5年未満での再接種は、接種時の副反応のリスクが高いため、再接種には5年以上の間隔をあける必要があります。
現在、日本では初回接種のみ助成対象となっており、2回目以降の接種は公費助成の無い全額自己負担で受ける制度となっていますが、ご高齢の方、脳卒中後遺症や心疾患・腎疾患・糖尿病、その他の合併症をお持ちの方は2回目以降の接種をご検討ください。
接種対象者・費用
大阪市の助成対象ではない方
接種費用:8,800円(税込)
- 今回が初回接種だが、下記年齢に該当しない方
- 今回が2回目以降の接種の方
*前回の接種から5年以上あける必要があります
(5年未満の再接種は副反応が多くなると報告されているため)
一部自己負担で受けられる方
接種費用:4,300円
大阪市 高齢者肺炎球菌 予防接種 事業対象の方
①大阪市民で、接種歴がなく、令和5年度に、
65・70・75・80・85・90・95・100歳になられる方
②大阪市民で、接種歴がなく、令和2・3・4年度に、
65・70・75・80・85・90・95・100歳になられた方
*この数年間、コロナ流行で接種の機会が得られなかった方が多く折られるため、令和5年度まで上記②の方も特例措置として対象となっています。
*接種日に60~64歳の方で、心臓・腎臓・呼吸器の機能、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能、に、身体障がい者手帳1級相当の障がいを有する方も対象
窓口自己負担が免除となる方
接種費用:無料
大阪市 高齢者肺炎球菌 予防接種 事業対象の方で、
- 生活保護受給者
- 市民税非課税世帯の方
- 東日本大震災被災者の方
は、確認資料をお持ちいただくと接種費用無料となります。
自己負担免除の確認資料(例)
<生活保護受給者>
・保護決定通知書
・生活保護適用証明書
・休日夜間等診療依頼証
・本人確認証(中国残留邦人等支援給付制度)
<市民税非課税世帯の方>
・介護保険料決定通知書
(介護保険料段階が第1~第4段階のものに限る)
・介護保険負担限度額認定証
・介護保険高額介護サービス費受領委任払承認通知書
(利用者負担上限額欄が15,000円または24,600円のものに限る)
・自己負担免除確認書(介護保険)
(介護保険料段階が第1~第4段階のものに限る)
・後期高齢者医療限度額適用・標準負担額減額認定証
・障がい福祉サービス受給者証
(利用者負担に関する事項の負担上限額欄が0円のものに限る)
・自立支援医療受給者証
(自己負担上限額が0円または2,500円のものに限る)
・自己負担免除確認書
・課税証明書
(世帯員全員が確認できる住民票+そこに記載されている方の課税証明書も必要)
<東日本大震災被災者>
・予防接種実施願(保健福祉センターで発行)
当日の持ち物
健康保険証など
(住所・年齢を確認できるもの)
*予診票・申込書は当院に準備しています。
令和5年に対象年齢になる方へは、大阪市よりお知らせハガキが送付される予定ですが、接種時の持参は不要です。
他のワクチンとの接種間隔
高齢者肺炎球菌ワクチンは、不活化ワクチンです。
インフルエンザワクチン(不活化ワクチン)
- 現在の規定では、インフルエンザワクチン・高齢者肺炎球菌ワクチンは、接種間隔をあける必要はありませんが、
- 当院としましては、万一なんらかの副作用が生じた場合にいずれのワクチンが原因か判断できるよう、1週間程度は接種間隔をあけられることをお勧めします。
新型コロナウイルスワクチン
- 新型コロナウイルスワクチン・高齢者肺炎球菌ワクチンは、2週間の接種間隔を空ける必要があります。
- インフルエンザワクチンは新型コロナウイルスワクチンとの同時接種が認められていますが、高齢者肺炎球菌ワクチンと新型コロナウイルスワクチンの同時接種は認められていません。