腎臓内科 | うえはら内科クリニック | 大阪市旭区・関目高殿駅前

腎臓内科クリニックとしての役割

腎臓専門医として地域医療に貢献します。

1.腎臓病の早期診断
 糸球体腎炎・ネフローゼ症候群
 多発嚢胞腎などの慢性進行性疾患

学生時代から尿潜血を時々指摘されていたAさん、職場で久々に受けた健康診断で尿たんぱく陽性で腎臓内科を受診。尿蛋白が1.0g/gCrを越え、尿潜血も陽性・尿沈渣検査で尿中赤血球も多数見られ腎生検検査を勧められ総合病院を紹介受診しました。腎生検検査は不安でしたが、IgA腎症の診断が確定して扁摘パルス療法を受け、尿蛋白・尿潜血とも陰性化が得られました。きちんと経過観察を受ければ、将来的に透析治療が必要になることはなさそうです。

腎疾患は一般的に自覚症状が乏しく、健康診断や全く別の理由で受診した際の検査で検尿異常や腎機能異常を指摘され初めて診断される場合が多々あります。

慢性的な腎疾患では一度一定以上に低下した腎機能が回復することはほとんどないため、早期に診断することが大切です。

  • 検尿異常:尿たんぱく・尿潜血
  • 腎機能異常:血清クレアチニン高値・eGFRの低下

これらを指摘されたら、一度は腎臓内科へ受診してください。

2.腎機能に応じた投薬調整
 薬剤性腎障害の早期発見
 腎機能に応じた用量調整

骨粗鬆症検診で骨密度が低下しいたBさん、テレビCMで目にしたビタミンD・カルシウムのサプリメントを飲み始めました。1年後に受診した特定健診でクレアチニンが1.3mg/dlと上昇し腎臓内科受診を指示されました。血液検査で高カルシウム血症による腎機能障害が疑われ、サプリメント中止を指示されました。腎機能は徐々に改善し、数ヶ月後にはクレアチニンは0.85mg/dlと、数年前と同じくらいの数値に戻りました。紹介してもらった整形外科で骨粗鬆症の治療を受け、骨折予防に運動もするようになりました。

薬剤性腎障害は早く気づけば可逆的ですが、長期化すると不可逆的になる場合があります。

また腎排泄性の薬剤では、腎機能が一定以上低下したら使用すべきではない薬剤や、腎機能に応じて減量・調整し適切に投与すべき薬剤があります。

腎臓専門医・透析専門医として、保存期末期腎不全の患者さん・透析患者さんにも様々な薬剤を投与してきましたので、お薬手帳を確認する際は患者さんの腎機能のフィルターを通してお薬を確認しています。

腎機能は自覚症状なく悪化することがありますので、何らかの投薬を受けている方は少なくとも年1,2回は血液検査を受けてください。

3.腎不全の管理
 慢性腎臓病(CKD)
 保存期末期腎不全

高血圧の治療を十数年受けている55歳のCさん、血圧が150/90mmHg程度から下がらず諦めていました。腎機能も少し悪いと言われた覚えがあります。健康診断で尿蛋白を指摘され腎臓内科への受診を指示されました。クレアチニン1.4mg/dl、eGFRは42.5で、腎機能の低下は”少し”ではありませんよと説明されました。尿検査で食塩を1日に10g以上摂取していることがわかり、減塩が指導されました。降圧薬も見直し、数ヶ月後には120/70mmHg台というこれまで見たことのない血圧が出るようになってきました。尿蛋白も陰性化し、腎機能は安定して経過しています。

腎臓内科初診時、Cさんは尿蛋白も1.0g近くあり慢性腎臓病G3bA3期で、将来的に透析が必要になる可能性も高いと考えられましたが、尿蛋白の陰性化も得られ血圧も安定したため透析は回避できるかもしれません。

慢性腎臓病は一定以上進んだ場合は基本的に進行性で、失われた腎機能を取り戻すことはできません。残腎機能を保つために減塩・降圧治療などの日々の管理が重要です。

症状は潜在的に進行するため患者さん自身は透析間近になるまで症状に気づかないことも多々ありますが、腎機能が低下するとともに様々な腎不全合併症(腎性貧血・副甲状腺機能異常・代謝性アシドーシス・高カリウム血症など)が徐々に出現します。定期的な検査を行い、これらの腎不全合併症を丁寧に管理していくことが、慢性腎臓病・保存期末期腎不全の治療において重要です。

当院では、尿検査・尿蛋白定量・食塩摂取量の推定などの尿検査、副甲状腺ホルモン・静脈血液ガスなどの特殊な血液検査も実施し、自院内で慢性腎臓病(CKD)・保存期末期腎不全患者さんの経過観察・管理を完結できます。

4.腎代替療法へのかけ橋
 腎移植・透析治療へのスムーズな移行
 専門病院との連携

長年糖尿病を患ってきたDさん、クレアチニンが3.0mg/dlを越えるようになり腎臓内科への検査入院を何度も勧められましたが気が進みません。主治医には「透析は絶対したくない」といつも言いますが、そもそも透析がどんなものか実は知りません。病院への紹介はまだ待ってあげるから、近くの腎臓内科クリニックで話だけでも聞いてきなさいと言われ、紹介受診しました。

すでに尿毒症状が出現して嘔気が常にありご飯も食べられず、呼吸も苦しくてもう我慢の限界という方は、透析でも何でもいいからとにかく早く楽にしてほしいと納得いただけることが多いですが(むしろ救命のためには何とか納得いただく必要があります)、

患者さんに透析治療の必要性をご説明する際、二つ返事で「透析します!」という方はほとんどおられません

外来のたびに繰り返し少しずつお話しし、時には家族さんも交えて相談し、数ヶ月かかってようやく少し前向きになっていただけるということが多いですし、患者さんのお気持ちを考えると当然だとも思います。

しかし、透析間近の尿毒症や溢水症状は患者さんにとって非常に苦しく、そのような症状が出現する前の段階で腎代替療法(腎移植・腹膜透析・血液透析)を選択できるようにするのが腎臓内科医の責務です。

透析専門医として透析導入・管理も行ってきた経験を生かし、患者さんにはよくご説明し、より適切な段階で専門病院へご紹介し、腎代替療法へのスムーズな移行のかけ橋になれるように努力しています。

5.心血管疾患の予防・早期診断

40歳頃から高血圧で治療を受けてきたDさん、腎硬化症による慢性腎臓病G4期まで腎機能障害は進行しています。ある朝、突然に胸が重苦しくなり、かかりつけ医へ受診しました。心電図・心エコー検査で急性心筋梗塞と診断され総合病院へ救急搬送されました。造影剤を使用することで腎機能が悪化する可能性はあるが、救命のためには心臓カテーテル検査・治療が必要ですと説明されます。カテーテル治療は順調で造影剤の使用も少量で済み、幸い腎機能も悪化することなく2週間後に無事退院できました。

慢性腎臓病(CKD)・保存期末期腎不全患者さんは心血管病の合併率が高く、腎機能・腎不全合併症を適切に管理することと同じくらいに大切なのが心血管病の予防・早期診断です。

院長は循環器専門医でもありますので、心電図・心エコー検査・頸動脈エコー検査などの定期的な検査を行い、心血管危険因子(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)を適切に管理するように務めます。

腎臓内科を受診すべき症状

こんな症状はありませんか?

腎・泌尿器疾患の可能性がある症状です

  • 尿が泡立つ
  • 尿が褐色・黒っぽい
  • 尿が赤い
  • 尿が少ない、足がむくむ
  • 夜間頻尿
  • 歩くと息がきれる
  • 体がだるい、食欲がない
  • 排尿時痛、頻尿、残尿感
  • 片側の腰が痛い

腎臓内科を受診すべき検査異常

こんな異常を指摘されていませんか?

一度きちんと確認しましょう

  • 尿蛋白が陽性
  • 尿潜血が陽性
  • 腎機能が悪い
    クレアチニンが高い
    eGFRが低い
  • 血圧が高い
  • 血糖値が高い
  • 腎のう胞がある(多発)

腎臓疾患を調べるのに便利なサイト

インターネット、テレビ、雑誌、書籍には様々な医療情報が溢れ便利な反面、医学的根拠に乏しい情報や、あなたにとって有意義とは限らない情報もあると思います。

各学会のホームページに一般の方へ向けた解説ページがあるのをご存じですか?

とても分かりやすいものもたくさんありますので、是非参考になさってください。
大切なお体のことですので、より信頼できる情報を収集し、わからないことは受診して相談しましょう。

*腎臓関連の指定難病(成人疾患の一例)
 全身性アミロイドーシス
 結節性多発動脈炎
 顕微鏡的多発血管炎
 多発血管炎性肉芽腫症
 全身性エリテマトーデス
 全身性強皮症
 シェーグレン症候群
 血栓性血小板減少性紫斑病
 IgA腎症
 多発性嚢胞腎
 サルコイドーシス
 急速進行性糸球体腎炎
 一次性ネフローゼ症候群
 一次性膜性増殖性糸球体腎炎
 紫斑病性腎炎

腎臓内科で行う検査

当院で実施可能な検査

尿検査にも様々な測定項目があります。

  • 尿定性検査
    尿蛋白・尿潜血・尿中白血球その他
  • 尿沈渣
  • 尿蛋白定量
  • 尿中微量アルブミン
  • 尿中電解質
  • 尿中Na排泄量(推定食塩摂取量)
  • 尿細管マーカー
  • 尿細胞診

下記の採血検査は必要時には、
院内機器で測定可能(15~20分で判明)

  • 腎機能(BUN、Cr)
  • 尿酸値(UA)
  • 電解質(Na,K,Cl)
  • 血液ガス(静脈血・動脈血)

糸球体腎炎(原発性・二次性)を
鑑別する検査も行います。

  • 免疫グロブリン
    IgG,IgA,IgM,IgG4
  • 血清補体価
  • 抗核抗体
  • リウマチ因子
  • その他、自己抗体
  • MPO/PR3-ANCA
  • 抗基底膜抗体
  • 血清免疫電気泳動
  • 尿中免疫電気泳動(BJP蛋白)
  • 血清アミロイドA蛋白 ...etc

下記検査も院内で実施可能

  • 腹部超音波検査(腹部エコー)
  • 腹部CT検査

病院で受けていただく検査

  • 腎生検検査
  • 膠原病、自己免疫疾患の継続精査

連携病院、ご希望の病院へご紹介します。

提携病院はこちら

膀胱鏡検査など、泌尿器科での受診が必要な検査は、泌尿器科クリニック・病院へ紹介します。

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お気軽にお問い合わせください。06−6955−6666月火水金 9:00-12:30 / 15:30-19:00, 土 9:00-13:00(休診:木・日祝/土曜午後)

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腎臓専門医として継続診療します。

  • 高血圧症
  • 慢性腎臓病
  • 慢性腎不全・保存器末期腎不全
    *CKDステージ4~5の方も診療
    *透析治療は行っていません
  • 多発性嚢胞腎(ADPKD)
  • 慢性腎炎症候群・ネフローゼ症候群
  • 急性腎炎症候群